渋谷エールジョブシャドウィング 第6回レポート

「〜経営者やリーダーと職場で過ごす半日間〜」

12月13日、ユウさん(ニックネーム)23才男性が、世田谷区粕谷に本社を構える、株式会社エス.ディー.ケイ代表取締役の坂口輝昭さんのジョブシャドウイングを実施しました。

(本件は、世田谷区社会福祉協議会主催の密着仕事人として実施されました。)

従業員のことを考えている会社に関心しました。

参加者 ユウさん(ニックネーム、23才、男性)

今回、このプログラムに参加したきっかけは世田谷区社会福祉協議会ぷらっとホーム世田谷の担当者の方から勧められたことでした。

実際に会社を経営している社長さんのお話を一対一で聞いたり、同行させてもらったりするような貴重な機会はなかなかないと思い参加を決めました

私が人とコミュニケーションをとることが苦手なこともあり、プログラムの前は、とても緊張しました

当日は、まず初めに株式会社エス.ディー.ケイがどのような事業を行っているか、どのようなことを心掛けて会社経営をしているかということを説明していただき、電力工事部、通信工事部、イルミネーション事業部の3つの事業を行っているということでした。

私が感心したのは「その理由」でした。

1つの事業に固執していると視野が狭くなり経済の変化に置いて行かれてしまうが、3つの事業を行っていることで視野を広く変化に対して柔軟に対応できるようになるためということでした。

大企業が1つの分野で成功した後、手に入れた資金を元にその他の分野に手を広げることはよくあることだと私は思っていましたが、それと同じことを中小企業でも行っているということに驚きました。

さらに、もう1つ驚いたことがあります。

これらの多くの事業をたった18人の従業員でこなしているということです。この18人というのは会社の経営が上手くいかなくなったとしても坂口社長が面倒をみることができる人数だそうです。

近年、ブラック企業が社会問題になっている中で、ここまで従業員のことを考えてくれる会社はなかなかないのではないかと感心しました。

会社経営をする上で心掛けていることとして効率よく、楽しく仕事をすることを挙げていました。そのために、フレックスタイム制やテレワークの導入、SNSの活用などをされているそうです。

説明を受けた後、実際に建設中の現場を見学させていただきました。建設中の建物の中に入ることはまずありませんので、とても貴重な経験になったと思います。

参加する前はどのようなことをするのかよくわからず不安でしたが、終わってみればあっという間だったように感じました。

6時間程度のとても短い時間でしたが、忙しい中わざわざ時間をとっていただいてお話を伺わせていただけたことは、私のこれからの人生にとってプラスになるとても有意義な時間であり、仕事に対して様々なことを考えさせられるきっかけになりました。


訪問団体

株式会社 エス.ディー.ケイ 坂口輝昭さん

はじめに、このような体験(密着仕事人)の機会を提供して頂いた、世田谷区社会福祉協議会(ぷらっとホーム世田谷)の小幡様、一般社団法人Vielfalt(フィールファルト)の久保様、そして参加してくれた参加者に感謝申し上げます。

当日を迎えるにあたり『取引先との交渉の場に同伴させる?』『一般の方が入れないような施設に現場案内する?』全く検討がつかずにいた中、久保様より、通常の業務に同伴する中で様々な会話をして欲しいという話がありました。

企画時間の関係もあるので、まずはコミュニケーションを取って、何か経験したことないことを体験してもらおうと考え当日を迎えました。

冒頭こそ参加者の緊張感を感じましたが、会社説明などをしてる中で徐々に笑顔も見れるようになり、雑談の中で彼が興味を示している内容で体験できる建設現場に移動することにしました。

建設現場に入った経験はなく真剣に現場内を見学し、不思議に思ったことなどを質問してくれました。命に係わる建設業の代表として、分からないことは素直に質問できる事は重要であり、会社としても再確認する必要があると気づかされました。

移動中の車内では個人的な話もたくさんしてくれました。

自身の障害の事、家族構成、私生活など。その中で学生時代に演劇部だったこと、人と会話して辛いと思ったときはその演劇部の経験を活かしていること。少し頑張ったら次の日は朝早くに起きることが厳しいなど。

私が感じたことは、参加者は意見も言える、話も聞ける、考えて行動もできる。しかし、現状は生き辛さを感じているのだな、と…。

久保様が代表を務められる理念として、誰もが自分らしい働き方を創れる社会とあります。誰もが平等に生活しているわけでもなく、誰もが同じではありません。だから行政・地域企業・地域団体が連携をして、他人事ではなく自分事として継続的に見守りサポートすることが重要であり、そして、多様性を持った地域社会となる事で障害や生き辛さを抱えている方々も社会に踏み出せるきっかけとなると考えます。

多くの方々に課題と現状を知って頂き、賛同者が増えひとりひとりに合った様々な働き方ができ、安全・安心に住み暮らせる世田谷となるよう引き続き、微力ながらサポートさせて頂ければと思います。

この限られた時間での参加者とのコミュニケーションによって様々な社業に対する気づき等も得ることができ、とても有意義な時間を過ごせたことに感謝申し上げます。